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そして、昼休みになった。
「奈央子、愛加のクラス行って食べない?」
あかねが、鞄から弁当と飲み物を出しながら言った。
「私、優のお見舞いに行かないきゃ。お昼ごはん買って持ってくね。おなか空いてると思うし…。後で行くから?」
ほほ~ っとあかねは感心した。
「せっかく野城くんのクラスに行けるのに…。奈央子、一人で行きにくいって言ってたわよね?」
野城と愛加は同じクラスのC組だ。
あかねが愛加に会いに行くついでに奈央子もC組に行けば、確かに野城に会える。
だが、奈央子は内心そこまでして彼に会いたいとは思っていなかった。
「ん~別に良いよ。じゃ、そろそろ行くね。優 待ってるから!」
奈央子はそう言って、教室を後にした。
「ね~、あかね。今 太田さんが言ってた"ゆう"ってもしかして、上城くんのこと?」
近くにいた女の子が、あかねに話かけて来た。
「さあ。違うんじゃない?ゆうなんて名前たくさん要るじゃん」
そう答えると、その子が再び喋る前に、あかねは教室を出た。
危ない危ない。チョコ寮に行くなんて絶対に言えないもんね。
しかも大正解、その優だし。
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