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「あ、あった~!なぁんだ、引き出しに入ってたのか。早く入ろうっと。このカッコじゃ寒い寒い」
と、奈央子が一人言を呟きながら、ドアの前を通り過ぎて洗面室に行こうとした時だった。
バタンッ
「上城~!ちょっくら金貸してくんねえか?って、わ!」
「!?」
奈央子の目の前には、奈央子の知らない男。
しかも男の目線は、奈央子の全身を上から下へと動いている。
「お~。こりゃ朝から良いもん見れたなあ。」
「き、きゃあー!いやあ!ゆっ優ぅ 」
大声を出して叫ぶと同時に、洗面室へ走って、速やかにドアを閉めた。
「わっ、わぁ!そんな驚かんといてや!俺はな、今日からここに戻…」
しかし、男が言っている途中で、再びバターン!という音がした。
「おい、奈央子。何事だよ。おめー、今の声も録音されちゃったぜ」
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