プロローグ

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「ねぇ、 あんたさぁ なんで渋谷になんか来たんだよ?」 ため息まじりに 私を見下ろしながら メイが尋ねた。 冬の夜。 渋谷セッター街。 背中を丸くして道端に座り込んだ ギャルメイク・金髪にミニスカート 厚底サンダルのギャル。 右の手の甲には 大きな円の火傷の跡がある。 長い付けまつげの奥の瞳は 暗い井戸の奥底の様に 無表情に黒くにごっていた。 それが私だった。
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