第12章:貴方が愛した海ならば。

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「苺…学園?」 時は ながれ、僕は中学三年生。 受験シーズンが近づいたある日、僕は母さんに呼び出され、家の中でも二番目に大きな部屋にいた。 でも母さんはそのゴージャスな部屋にはとても似合わない雰囲気の、古びた洋服を着ている。 「そうよ。全寮制の高校。ここの理事長さんと、父さんが仲が良いのよ。だから高校はここにしなさい?」 「うん。わかったよ」 僕が小学校二年生に入った頃だっただろうか。 毎月父さんから振り込まれていたお金が、家に一円も入らなくなった。
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