第12章:貴方が愛した海ならば。

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さすがの小学生の僕でさえ何かを『察した』。 だけど僕は、何にも知らない振りをしていた。 その代わり、そんな母さんに合わせるようにして、僕は贅沢ごとを言わないようになった。 だから、母さんも本当は、そんな僕を見て、自分は何も言ってないけど薄々 僕は気付いてるんじゃないか、と思ってたかも知れないな。 でも、近所の人たちは、僕の家が大きい上に『金持ち』であることも知っているから、次第に眉にシワを寄せ始めた。
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