第12章:貴方が愛した海ならば。

21/36
前へ
/40ページ
次へ
父さんは僕を一度も見ることなく、その一緒にいる男の子ばかりを見ている。 「あんの馬鹿女。駅までタクシーを寄越せと電話で伝えただろう?何やってるんだ?お出迎えも無いのか!友里!」 父さんの怒鳴り声にびっくりした僕は、すぐに理由を話す。 「あの…父さん。母さんは今日は風邪引いて寝てるんだよ。ていうか、今日帰って来る予定だったんだね?なんか突然…。知らなかった…」 「まぁ良い。優、早く上がりなさい。充、タオルを持って来い」 父さんは僕を通り過ぎて、その"優(ゆう)"と呼ばれる男の子を連れて、家の中へと入って行く。 僕は男の子とスレ違いさま、彼の顔をハッキリと見た。最初から驚いたけど綺麗なベージュっぽくて、肌の色は白め。 そして心無しかな、顔のパーツが 何となくだけど… 僕と似てるなぁって… 思ったんだ。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加