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「何これ、変な匂い!カビはえてねぇ?これしか無いのか?」
「あ…今、新しいのはそれしか無くって。洗濯機が壊れてまして。っていうか、水道代がちょっとアレで」
僕はそう言いながらも、平然を装おっていた。内心では、平然じゃなくなって来ていても。
まだ父さんと、ちゃんとした会話をしてなかったから
「何で?新しい洗濯機買わねーの?」
その優という男の子が続けた。
「あまり…お金がないので…」と僕が答えると、彼は「へーえ」と言った。
僕は、優を改めて見てみた。
一見、どこかの国の王子様みたいだと思った。首には大人っぽいシルバーのネックレス、指には大きな宝石の指輪が並び、全体的にきらきら輝いて見える。服も…上等そう。
ふと、近くに置かれている縦長の全面鏡に自分の姿が映って見えた。
僕は、この子とは正反対だな… このボロ服いつから着てるんだっけ。
目の前で座っている優と自分とを見比べている内に、部屋の向こうから何かが割れる物音がした。
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