第12章:貴方が愛した海ならば。

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ガシャーン! 「なっ、何!?」 音がした方向は、母さんの寝室だった。 その後もガシャーンガシャーンと立て続けに響く音に、僕は…優は少し、戸惑いを隠せない。 僕が部屋を出て、廊下を走る後を、優は一緒について来た。 母さんの寝室に着くと、すぐに扉を開けた。 母さんが、手当たり次第、部屋にある物を父さん目掛けて投げている。花瓶やツボ、タウンページ―… 「母さ…父さん!?」 「わ、私…聞いてないわ!あり得ないわ…!そ、そんな子供!」 「だから今 説明しているだろう!話を…しがみつくな!」 ガターンッ!! 父さんに抱き付こうとする母さんの腕を、父さんが振り飛ばし、母さんは衝動で床に倒れた。
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