第12章:貴方が愛した海ならば。

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ひら ひら… 桜舞う、春。 僕は私立の幼稚園に合格し、入園した。 一歳の頃から英才教育、お受験対策の専門塾、家庭教師…とあれこれ教育を受けていた、僕。 小さい頃は理由(わけ)もわからずに、勉強は『する物』なんだと思い込んでいて、ただ ひたすら毎晩 机と向き合っていた。小学生になるまでは、机と向き合うというよりは、英才教育だと知らず、単なる遊びで、使う道具は全部おもちゃだと思っていた。 高校生となった今でも、よくわからない。 将来有望になるため?良い生活を送るため? ただ、母さんはいつもこう言った。 「由緒ある野城家が世間から恥をかかないように、頑張りなさい」
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