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薄暗くて長い廊下。天井には五メートル間隔で吊られているシャンデリア。
何やら、同じ背丈で同じ位の年齢の二人組の女の子が、早歩きで進んでいる。
一人は満面の笑み。もう一人は―…
戸惑いと不安を隠せない、童顔。
「あの…ルナさん!良いんです!私。下着なんて どうでもっ!」
ルナに手首を握られ、奈央子は一緒に歩かざるを得なかった。
「優さんは手強い男の子だって、充さんが言っていたわ。ちょうど良かった、今日は私もたんと用意してあるの。だから一つ位から貸してあげるから」
カツカツ
二人分のハイヒールの音が、廊下に こだましている。天井が高いのでよく響いた。
奈央子は一瞬、野城が優の事をそんな風に言っているのかと思うと笑いそうになったが、今はそっちを気にしている場合じゃない。
「でも!でも…私、下着なら何とかなります!何ならいっその事あかねちゃんに持って来てもら」
「奈央子さん。」
ハッと奈央子は顔を上げた。ルナがゆっくり言った後 立ち止まり、キッと強い目付きで奈央子を睨んだ。
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