第13章:愛しのラビリンス-前編-

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「あ、えと…野城くん。ごめんなさい、来ちゃって…。私なんかが」 「そんなに謝らなくて良いよ。って言うか、君たちはいつの間に仲良くなったんだい?」 あっさりとした口調でそれだけ言うと、野城は再びパソコンのキーボードをカチカチとし始めた。 そして奈央子が何と言おうかトロトロ考えてる内に、またしてもルナ嬢が先勝した。 「良いじゃないっ!女同士の秘密よ。さぁ、奈央子さん。ちょっと待ってて!今、ブラとパンツを持って来るわ!」 そう叫んで隣の部屋に飛んで行くルナの後ろ姿を、野城は目を丸くして見つめた。 わーん 違うの違うの!違うんだよ~ 恥ずかしいっ! 「えと…あのあの、あのねっ」 奈央子は顔が熱るのを感じたが、野城は特に不快感を示す訳でもなく、くすっと笑うだけだった。 「別に大丈夫だよ。何となく分かるからさ」 ふと奈央子は、急に目線の居場所に困った。
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