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だが、ひつじの携帯電話が鳴り、ひつじは画面を見た後「失礼します」と静かに言って一礼をし、部屋を出ていった。
再び奈央子と野城の二人きりになり、この部屋は静かになるが、静かさは そう長くは続かなかった。
パタパタという足音は、『本来の目的』が戻って来た事の知らせ。
パタパタ…
「お待たせしちゃったわ!これなんか、どうかしら。奈央子さんに似合いそうなピンク。さっ、着てみて着てみて!」
ついにルナ嬢が両腕いっぱいに抱え、自分のありとあらゆる”勝負下着”を持って来たのだ。洗面室の一部がクローゼットになっており、そこから出す作業をしていたようだ。
奈央子はパッと立ち上がり、両手を胸の前に差し出してブンブン振った。
「いっ、いやいや!あの、こんな近くに野城くん居るし…!ここじゃちょっと!」
「どれでも好きなのを選んでちょうだいっ」
と言って、野城のテーブルに、両腕いっぱいに抱えたそれをドサッと置いた。
ノート型パソコンに桃色フリル付きパンツが被さって、野城は画面が見えなくなった。
ルナはベッドに腰掛けて、顔を赤らめ それを退けるかどうかに迷う奈央子を気にしないようにしながら、溜め息を吐いた。
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