1人が本棚に入れています
本棚に追加
皆、彼女が通り過ぎた後を振り返っては
「おや?今の女の子は…。誰の娘だい?」
「見たことない顔ねえ。どちらのお嬢さんかしら?」
などと言う会話をしていた。
もちろん奈央子は そんな会話に返す台詞もない『普通の家の子』なので、聞こえないフリをしたていたが、さすがに立ち振舞いは見直し始めたようだ。
少し立ち止まっては、平然とした表情を作った。
理由は解らないが、変な予感を感じていたからだ。
もしかしたら『これからも』、こういう事に遭遇するかもしれないと。
だがそれは どう言うことか、奈央子自身が分かっている筈だ。
そしてやっと、目的地に着いた。
人通りの少ない場所に造られている配慮の有りがたさを、彼女は改めて感じていた。
最初のコメントを投稿しよう!