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キィ…
『toilet』と書かれてある扉を開け、奈央子は中に入った。
廊下とは別の静かなクラシックの音楽が流れており、トイレとは思えない高級感が漂っていた。
ジャー…
用を足して別の部屋になっている洗面所に行き、手を洗う。
洗面所は洗面所だけで、一つの部屋のよう。
四方八方から、色づいた自分の顔が、不安そうにこちらを見ていた。
キュッ
「ふう。」
手を洗い終えて、ちょっと姿勢を正してみる。
とその時、背後からコツコツというヒールの足音が聞こえた。
無意識に振り向くと、そこにいたのは-…、ルナだった。
間違いなく、野城とキスをしていた女の子だ。
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