第13章:愛しのラビリンス-前編-

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キィ… 『toilet』と書かれてある扉を開け、奈央子は中に入った。 廊下とは別の静かなクラシックの音楽が流れており、トイレとは思えない高級感が漂っていた。 ジャー… 用を足して別の部屋になっている洗面所に行き、手を洗う。 洗面所は洗面所だけで、一つの部屋のよう。 四方八方から、色づいた自分の顔が、不安そうにこちらを見ていた。 キュッ 「ふう。」 手を洗い終えて、ちょっと姿勢を正してみる。 とその時、背後からコツコツというヒールの足音が聞こえた。 無意識に振り向くと、そこにいたのは-…、ルナだった。 間違いなく、野城とキスをしていた女の子だ。
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