1人が本棚に入れています
本棚に追加
「え、えっと、そうなんです!優に…。上城くんっていう人に招待されたので」
そう答えている間に、ルナの冷めた視線が、自分の足先から頭上までジロリと移動するのを感じた。
わーん 何だか、居心地 悪いんですけどぉ…。
「じゃあ、あなたは上城家の息子のガールフレンド。それで正しいかしら?」
ルナが改めて奈央子に向き直し、一直線に見据えて、腕組みをした。ふわっと長くてたっぷりの、ウェーブの黒髪が揺れる。
だが目線は奈央子と変わらない。背丈が ほとんど同じだと気付いた。
奈央子は首をフルフルと横に振り、本来の目的に集中しようとした。聞くなら今がチャンスだ。自分の勘がそう言っていた。
「そっ、そうです!えっと、あなたは野城くんの…」
「じゃあ、今日は勝負下着で?」
「んえっ!?」
ルナは唐突に奈央子の言葉をそう遮ると、今度は眉を細め、右手をスッと奈央子の胸に近付け、寸法を測るかのようにクネクネと動かした。
水色のパールのネイルが、キラリと光る。
「まあ良いわ。じゃあ…」
奈央子は もじもじして話を切り出せないでいたので、またルナが続けた。
ルナは、奈央子が押しが弱いタイプだと学んだのか、すっかりご機嫌を良くした様である。
最初のコメントを投稿しよう!