第15章:朝は、君と、謎解き合い。

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日が昇り、街が段々と明るくなって来る、この時間。 冷たい風が吹き、木々を揺らす。もう殆ど葉が落ちて枝だけになっている木々達は、風に揺られやすく、さわさわ…と音をたてる。 地面には落ち葉が流れて行き、道行く人々の足の間をすり抜ける。また強くなる風に揺られる度に木々から葉がなくなって行く。 雲と変わらない位の白色な空。薄い雲がスーと張っている。 冬本番の知らせ。 季節は、十二月を迎えた。 太陽が先頭となり、街中の全ての建物に朝を知らせる、この時間。 住宅地から工事地帯、海岸線。繁華街から公園、学校、様々なビル。病院、図書館、交番―…‥。 皆 同じ早さの同じ気温で、暖まる。太陽は依怙贔屓しない、全ての人の為の、目覚まし。 そして当然、この建物… ロイヤル・ホテルにも。
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