第15章:朝は、君と、謎解き合い。

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大きなビルが並ぶ中でも、その中に埋もれてしまわない、圧倒的存在感の風格は、まさに"ロイヤル"という名前が相応しい。 宿泊客も、一人、また一人と眠りから覚め始めていた。 ホテルの敷地内では、人々が少しずつ動き出す。ホテルマンだけでなく、宿泊客も。また、泊まらずともホテルを利用するだけの客や関係者も。 温水プールが朝から解放されいると、もう入っている人、オープンテラスになっているカフェではモーニングをとる人、ベンチで新聞を広げては「今日の株は…」とチェックする、ビジネスマン。 広いロビーでは、子連れの親。飛行機に間に合うか分からなく急いでいる様子だ。 明日は月曜日で学校だから、日曜日の今日は早めに帰りたいらしい。そしてそれに付き添うホテルマン。 このホテルがいかに高級クラスかは、中に入って実際に泊まる客は分かるが、街中で建物を通り過ぎるだけの人々には外から知る事が出来る。 玄関だ。
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