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「……!じゃあ、じゃあさ、小さくていいから、何か不審な箇所は?
舞玖のことだから、本当は気づいてるんじゃないのか?例えば…特殊な繊維片とか関東に生息してないはずの虫とか」
「刑事の癖に、海外の科学捜査ドラマの見過ぎか?それとも、キャリアの警察官僚の研修って、そんなに暇なの?
遺体の状態が悪かったから、これでも丁寧に…爪の間から毛根まで、何か出そうな場所は全部視た。
我々の仕事はただ『視ること』。主観や憶測は許されない。後は君達の仕事だろう?」
「……」
「それに、柏原絢乃の爪からは給水タンクの塗料片が、給水タンクの梯子からは柏原絢乃の指紋と靴痕の一部が出ている。
第一、死体だろうが生体だろうが、成人女性を担いで屋上に上がれば目立つ。いくら作業員がボンクラでも、気づかない方がおかしい」
「……」
「…まあしかし、未来の名作アニメの準主役級だったかもしれない女性が犠牲になった。怒りと無念を感じる君の気持ちはよくわかる」
「……えっ…」
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