〈5〉 ミステリー研究会とシャーロッキアン達

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「はああ…、だから緋色はなんで日本に戻って来ちゃったのさ。アメリカ国籍取って、政治家でも目指してくれてたら…。 僕は今でも本気で後悔してるんだ。ダメ元でNASA目指してたらいつか、極秘扱いの宇宙人の死体が解剖できたんじゃないかって。 いや、カイ君なら、今からでも可能性あるよな?FBIとかNASAとか」 そして、昔から非常に面倒くさい夢を見ていた事も今更だが思い出した。 「アイツはダメ。っていうか、いい大人がコネで夢叶えようとするなよ。日本人でNASA目指すなら医者の方が有利だろ」 「別に僕、宇宙行きたい訳じゃないんだよねえ…乗り物酔いするし」 「解剖しないって約束するなら今度、霊が見える女子高生紹介してやるよ」 「…霊が見える女子高生…?なんか、ありがち……」 舞玖は退屈な小学生がへそを曲げたような表情になったかと思うと、急に目をキラキラさせた。 「まさか、緋色の新しい彼女?警官なのにマズくないか?それ」 「ばか。漣斗君の同級生。君の後輩だ。柏原絢乃入りのタンクを当てた実績だってある」 「…へえ…日本にもいたんだ。サイキック捜査官」 「留学生だけどね」 こんな自分は上司や友人知人に恵まれていると言えるんだろうか…、と緋色はこっそり思った。
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