〈5〉 ミステリー研究会とシャーロッキアン達

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「緋色が短距離の選手でインハイ出場したことある、って話したことあったっけ?まあいいや。その緋色を全速力で振り切った超・瞬足の犯人なんだけど…、」 「わかったの?」 「捕まった?」 「防犯カメラだ!」 「残念ながら…。というか、あの状況で、通用口から直に逃げ出したとしたら緋色が追いつけないはずはないんだけど。警察が到着するまで、映ってたのは緋色の映像だけ。当日の他の時間帯も、出入りしたのはビルの警備員と業者くらい。不審な人物はいない」 「え……」 「そんなばかな!」 「why!?」 「そもそも、不審人物を目撃してるのが愛莉だけだしな…このままじゃ傷害未遂の犯人まで天に消えたか地に潜ったか…ってことになりそう」 カイは何だか嬉しさを隠せてない。謎が謎を呼ぶほど楽しいのか…この人は。人の気も知らないで。 「殺人犯だろ。愛莉を刃物で襲おうとしたんだぞ」 漣斗が抗議してくれた。
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