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「同一犯と仮定して、そもそも彼女と接点のない愛莉を襲う理由は?」
「あたしは逆光で顔が見えなかったけど…相手は見られた、と思ってたのかも…口封じ?」
「推理としてはいい線行ってる」
「じゃ…また愛莉、狙われるの?怖い!」
シエラが抱きついてきた。
(あたし、確かに見たのに…消えたなんて…どうして…?)
あたしははっとして、シエラの方を見た。
「まさか…霊感ってうつるの!?あたしが見たのも…幽霊!?」
全身がガタガタ震えている。シエラがあたしの身体をハグして支えた。
「そんなことあるはずないでしょ!しっかりして!」
「何でそうなる!」
あたしにツッコミながらも漣斗がカイに詰め寄る。
「警察は何してるんだよ!まさか愛莉の見間違いだなんて思ってるんじゃないだろうな!」
「違う。ビルの出口だって非常階段から通じてるフロアも一つじゃない。真っ直ぐ降りたと見せかけてコーヒーショップの客に紛れて逃げたかもしれないし。
緋色がムキになって防犯カメラの画像とにらめっこしてるはずだよ。紅森さんに怒られながらね。それに…」
「「「 それに? 」」」
「『霊感がうつる』なんて、非合理的だ」
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