〈6〉 ゴスロリ女子高生vs謎の自転車乗り

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「カイ、私にもオニギリちょうだい!」 「あー、シエラ悪い、自分で選んで」 カイは面倒臭そうに袋をシエラの方に押しやった。…何という「ツン対応」。 確かにシエラは襲われた本人ではないけど、通報後、パトカーが来るまでの間、三人がかりで隙あらば逃げようとする犯人を取り押さえてくれた。空手の有段者ではあっても武闘訓練を受けているわけではない。内心、怖かったと思うのだ。 だがシエラは気を悪くすることもなく、嬉々として自分の分を選んでいる。 「シエラ…それ、おにぎりじゃなくて海苔巻きだよ?」 「いいの。こっちの方がラク」 シエラは特別不器用な子ではないけど、日本の海苔パリパリ仕様の「コンビニおにぎり」の包装には苦戦するようだ。 「俺もう、学校じゃなくてこっち通っちゃおうかな」 「レント、はしゃぎすぎ」 みんなのちょっとした「ピクニック気分(?)」につられて、あたしも少しだけリラックスできた。 「試しに一日代わってみるかい?」 緋色さんが笑顔で応接室に入って来た。
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