〈6〉 ゴスロリ女子高生vs謎の自転車乗り

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「いや、とんでもない。うちの署には大金星さ。愛莉ちゃんは幸い無事だったけど、被害者の中には頭や顔を骨折した子もいてさ。近隣の署にも協力を頼んでパトロールにも力を入れていた。 ……模倣犯が出やすい犯罪だから警戒は続けなきゃいけないけど、奴が本ボシだろう。余罪も自供し始めているし、ウラは慎重に取っていくつもりだ。悪い奴らは絶対野放しにしたくないからね」 調書用の書類を抱えた緋色さんの口調がいつになく刑事っぽい。おお、と、ちょっと感動したのもつかの間、緋色さんはそれらをテーブルに置きながら、少し考えこんでいた。 「僕らのお手柄で今までの問題行動もチャラじゃないの?それとも連続殺人犯逮捕♪とかじゃないと物足りない?ジャック・ザ・リッパーみたいな」 カイに茶化されて、緋色さんは少しムッとした。 「まさか。犯罪がエスカレートして犠牲者が出る前に、隠れた悪の芽を摘み取ることの方がずっと大事だよ。僕自身のポリシーでもある…そうそう、犯人逮捕に協力したってことで、君達、後日表彰されるらしいよ」 「「やった!」」 漣斗とシエラは無邪気にガッツポーズ。 カイは「へえ」、という感じだったし、あたしはどちらかというと助けられた側なので…どこか他人事みたいだった。
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