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「愛莉(あいり)。相当ヤバいらしいよ。今度来る転校生」
首都圏のとある街のニュータウンにある私立高、聖帝永和学院高等部。
二学期の始まった九月のある日、クラスメートの漣斗(れんと)が話しかけてきた。
あたし達の高校は中等一貫のマンモス私立校の高等部。特進クラス、アスリートクラス、普通クラスに分かれていて、あたしと漣斗は普通クラスに学ぶ平凡な高校生だ。
自主制を重んじるため制服はなく、自由な校風が気に入っている。
「ヤバい?どんな?ドラマやマンガみたいな、如何にもヤンキーなヤツが転校して来る、とか…?」
「このガッコのアタマを出せ、って言われたらワタシを出しな」
流暢な日本語で割って入って来たのは、最近とった空手の黒帯が自慢の留学生、シエラだ。…ちょっとヤンキー映画の見過ぎかも。
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