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だが菊田さんはさらに首を傾げるだけ。
伝わってない!?
一人であわあわしていると、
菊田さんが心底不思議そうに
聞いてきた。
「もしかして天野知らないの?」
「え?」
何が?
「社長と俺はハトコだよ。俺が
言うのもなんだけど、結構この話有名だと思うけど…」
「はぁ!?」
思わず素が出てしまった。
「お前、入社してから結構経ってるだろ? 今まで知らなかったのか?」
「え、えと、はい…」
菊田さんに悪いけど少しショックだ。
社長のことだからコネではないと
思うけど、可能性がゼロではない
ということが俺の頭を占めた。
「だからプライベートでは呼び捨て。な、繁」
「まあな。俺も涼介って呼んでるし」
お互いにウンウン言い合う様子に俺は目をパチクリさせる。
いやぁ、知らなかったわぁ…。
「さ、車乗れ。冬じゃないとは
いえ夜風はつめてぇしな」
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