第2章

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だが菊田さんはさらに首を傾げるだけ。 伝わってない!? 一人であわあわしていると、 菊田さんが心底不思議そうに 聞いてきた。 「もしかして天野知らないの?」 「え?」 何が? 「社長と俺はハトコだよ。俺が 言うのもなんだけど、結構この話有名だと思うけど…」 「はぁ!?」 思わず素が出てしまった。 「お前、入社してから結構経ってるだろ? 今まで知らなかったのか?」 「え、えと、はい…」 菊田さんに悪いけど少しショックだ。 社長のことだからコネではないと 思うけど、可能性がゼロではない ということが俺の頭を占めた。 「だからプライベートでは呼び捨て。な、繁」 「まあな。俺も涼介って呼んでるし」 お互いにウンウン言い合う様子に俺は目をパチクリさせる。 いやぁ、知らなかったわぁ…。 「さ、車乗れ。冬じゃないとは いえ夜風はつめてぇしな」
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