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「おい、カレー、まだ?」
「まだです」
そして最後に、俺の後ろに俺を
囲むように立っている社長が一番
おかしい。
「まだですからテレビでも見ていてください」
「イヤだ。見とく」
……。
ちなみに、リビングで菊田さんはテレビを見ている。
俺ははぁ、とため息をついた。
もうこの際どうでもいいというのが本音だ。
身長167cmの俺は社長の腕に
スッポリおさまり、非常に
動きにくい。
「…社長、動きにくいです」
「大丈夫、大丈夫」
いやだから俺が大丈夫じゃないんですけど…。
「社長、カレーが焦げます」
「ええ!? それは困る」
カレーのことを持ち出したとたんにこれだ。
俺はもう一度ため息をもらした。
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