第2章

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「いいのいいの。むしろこっちが恐縮しないといけないぐらいだし」 菊田さんはすっかりリラックスモードだ。 初めてみる菊田さんの表情に 俺は少し嬉しかった。 「お、イイ匂い」 声の方に目をやると、社長が扉を 開けこちらに向かってくるところだった。 俺は思わず目を見張った。 なぜかというと、社長が俺が いつも見ていたスーツ姿から ジャージへ着替えていたからだ。 いや厳密にいうと、ジャージ姿なのに色気がムンムンしていたからだ。 髪は濡れて光沢を帯び、 いつもより幼く見えるような…。 すると俺の視線に気づいた社長が 不思議そうにこちらを見た。 「ん? どうかしたか、天野?」 「え、あ、いや、そのぉ…」 言い淀む俺に、2人の視線が 突き刺さる。 うぅ…、これ言わないといけない 雰囲気…?
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