第2章

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かくして俺はこの家の住民たちと 会うことになったのである。 だが、その翌日俺がいつも通りの如くインターホンを押そうと 手を伸ばしたその時だった。 「誰? あんた、この家になんか用?」 話しかけてきたのは、男性にしては少し小柄な彼。 俺より小さい男性、久しぶりに 見た。 そしてその彼は俺を不審そうに こちらを睨みつけている。 だから、なぜか俺は弁解すること になった。 「いや、あの、俺はここの住民が上司で…って、あなたも もしかして住民ですか?」 「…そうだけど」 「あぁ、そうですよね。 よかった。あの失礼ですが、 橋本 怜さんですか?」 「え!? なんで僕の名前… あ、もしかして天野君?」 怜さんの顔から疑いの眼差しが 消えた。 どうやら誤解は解けたらしい。 半ばホッとしながらも俺は伝えておいてくれたらしい繁社長に心の 中で感謝した。 危うく通報されるところだった…
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