第2章

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これで確信した。 この子はイジれる人。 怜はフフフと上品に笑った。 その様はまるで彼の周りに花が咲いたようで俺はポカンとそれを見つめた。 イマイチ考えていることが分からない人なんだな…。 これが俺の第一印象だった。 ーーーー 「お邪魔しまーす」 俺は慣れた動作で靴をぬぐと、リビングのテーブルのそばに怜さんの荷物を置いた。 「ありがとう、天野君。あと、ようこそウチへ!」 怜さんは荷物をその場に置くと、両腕を俺の前で広げてみせた。 「今、シゲちゃん、呼んでくるね。ちょっと座って待ってて!」 「はい! よろしく」 そう言うと、怜さんは荷物を持って俺が開けたことのないドアを開けて行ってしまった。 急に手持ち無沙汰になった俺は、とりあえず言われたとおりにソファに腰掛ける。 何気なく部屋を見まわすと、この部屋がいつもより広く感じた。 一人だからか、気のせいなのか。 いや、少なくとも気のせいではないだろう。
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