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HillClimbになると、500馬力のZ33を操る柳田のほうが有利だ。  しかし、サクラはそれを思っておらず、駆け引きでやられると予想した。 「大崎の作戦であたしとZ33が負けるじゃん?」 「――負ける……」 「ならサクラ、あたしとHillClimb勝負しようぜ」 「――興味ないな……」  サクラの言葉で、今すぐBattleしろと言い出した。  だが、サクラは「興味ない」と言う。 「興味ないだとォ!? サクラ、Battleで負けた影響でBattleを怖がっているじゃんか?」 「――怖がっていない……興味ないだけさ……だが――おまえの走りだけは見たい……」 「興味がない」と言ったサクラだが、柳田の走りを見たいらしい。 「Battleは興味がないけど、あたしの走りは見たいんじゃんか。決まりだッ! 今からHillClimb開始じゃんッ!」 「――言っておくが……オレは走る気がない……オレは着いて行くだけだ――勝負だと思わない……勝ち負けは付けないからな……」  こうして2人のHillClimbが始まった。  ただし、これをサクラはBattleだと思っておらず、勝ち負けは決めないらしい。  柳田に着いて行くだけのルールを決めた。  先行が柳田で、後攻がサクラだ。  HillClimbが始まるとすぐCornerに入る。  柳田はBrakeLampを光らせずにDRIFTで突っ込んだ。 「――柳田、いつもの技でCornerに突っ込んだか……」  サクラの言ういつもの技とは、「FootBrakeを使わないSideBrake(サイドブレーキ、ハンドブレーキとも言う。某漫画では主人公が使わなかったり、あるTEAMが使用禁止にするほど下手くそなイメージが強いものの、実際にはRallyの世界で使われている)だけのDrift」のことだ。  柳田の使っているSideBrakeDriftはFootBrake(フットブレーキ、一般的にBrakeと呼んでいるもの)を踏まずにDRIFTを発生させるものだ。  このDRIFTはSPEEDを落とさずDRIFTできる。ただし上級者向けで、使うのは危険すぎる。絶対に真似をしないようにな。  後ろのサクラのほうはDRIFTせずにゆっくり入っていく。  2つ目のヘアピン、次も柳田はFootBrakeなしのSideBrakeDriftで突っ込む。  サクラはゆっくり走っているのでどんどん離されていく。
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