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「あのZ33速いね。追いかけたくなった。この86ならCornerで勝てそうだよ。あなた追いかけてッ!」 「え?」  女はZ33の追い抜きを見て熱くなる。  女に言われて、男は嫌がりながらもSPEEDを飛ばしだす。  直線ではZ33には敵わない。  次は左ヘアピン、先頭を走るZ33が先に入った。  86ならCornerで勝てると言ったものの……。  Z33はBrekelampを光らせずに、SPEEDを落とさず走っていくッ! 「どんな風に曲がってるんだよッ!」 「86よりCornerが速いッ!」  柳田Z33がSideBrakeのみのDriftでCornerで勝った。  これに2人は驚く。 「速いよ。あのZ33」 「どんどん離されていくよ」  Cornerの後、距離が離されていき、  カップルの眼からZ33が消えてしまった。 「雑魚じゃんよ。これが赤城の実力じゃんか?」  相手に勝った柳田は実力の低さのあまり呆れているようだ。  そのままZ33を走らせていく。  夜11時の和食さいとう。  リビングの小さい灯りの中に大崎と智がいる。  2人ともパジャマ姿であり、大崎は紫の全身タイツで、智は下着に黒タイツ姿だ。 「話をしようか」 「はい」  テーブルの椅子に座り、2人は話しを始める。  話はZ33型FairladyZの話だ。 「柳田の愛車でもあるZ33は本来峠に向いていない車だ。車体の幅は狭い峠道に向かず、車重はJZA80(Nomal)より軽いものの1450kgと重めだ。直線安定性重視な足回りなため走りにクセがある。3.5リッターV6のVQ35はNAながらPowerは出ているようだが……」  Z33は智の言っている通り、峠には不向きだ。  大柄な車体は峠にマッチしないため、峠に使うには上級者向けと言える。  さらにはFRだがDRIFTにも向いていない。直線安定性重視にSettingされているからだ。DRIFT大会に参加しているZ33の数は少ない。
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