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 翌朝6時。日は4月3日、柳田戦まであと明日へと迫った。  赤城山頂上にある大沼の湖畔にて大崎のワンエイティが停まっていた。  車内には運転席に大崎、助手席に智が座っている。智の手に赤城ようかんがある。  車内で2人は会話していた。 「お前がサクラに勝利したことは想像できなかった。ごく普通な16歳の女の子が赤城で名を上げている走り屋に勝利するとは想像できなかったな」 「いえいえ、智姉さんがおれの走りを鍛えてくれたおかげです」  先週のサクラとの戦いを振り返る。  智は大崎がサクラに勝つとは思えなかったらしい。 「そうか? サクラ戦の後はDRIFT甲子園上位の熊九保たちを倒した。次は榛名HillClimb最速の柳田だ。サクラ戦前に比べるとお前は変わったな。あと、ようかん食べるか?」  今の大崎はサクラ戦前とは別人だと言いながら、持っている赤城ようかんを大崎の口に入れる。 「あーん。おいしいです。おれは変わったという実感はありませんよ!? サクラ戦以降でおれは変わったなって思ったことはあんまりありませんよ!」  ただし大崎はそんなことは感じない。  1人の観光する男がワンエイティに近づく。 「あの、すいませんが、赤城神社はどこですか」  男は赤城神社に行くつもりであるものの、そこが分からない。  2人に聞いてくる。 「わ、ワンエイティの前にお、男が来るッ! ナンパされるかレイプされるよッ! おれ、男が苦手だから智姉さんが話しかけてくださいッ!」  男性恐怖症の大崎はビビり始めるッ!  代わりに智が聞いた。  智は赤城神社の場所を教える。  男はそれを聞いてあと、教えてくれたことにお礼を言う。 「ありがとうございます。身体の小さい女の子、ビビらなくてもいいよ。ボクは変態じゃあないからね」 「うん……(ビビらなくても良かった)」  ビビった大崎だが、男は変態ではないと言ったので大崎は安心する。
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