第1章

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そういえばさっきから何かなってるかも。 音のするのほうを探るとぼっちの僕っちには無縁なモノを見つける。 画面には知らない電話番号。 そもそも僕っちが知ってる番号ってのがないんだけどな。 実家の電話ぐらいだ! アドレス登録0件。携帯持ってる意味があるの疑問に思う。 さて……、どうしよう。 スマフォに変えてから、初めての電話なんだよね。 『ぽむんぽ電話出ないのー? 俺の事は気にしなくていいよ』 「……これって、どうやって電話に出るの?」 『――え? え? ぽむんぽ、今時の子なのに!! 本気で言ってるの?』 もしかしておじいちゃんとか小声で言ってるが、バッチリ聞こえてきてる。 「僕っちリアでもぼっちだからね」 ぼっちバンザーイ!! 『何!? ぽむんぽ、もしかして……総受け体質?』 そううけって何? 「説明求」 『この説明は軽く一晩はかかる。だから先に電話を出たまえ!』 「大事な用だったら、また掛かってくると思うから平気」 『いやいやいやいやいやいや!! ずっと鳴りっぱなしだからね!! 出てあげて』 僕っち的には“そううけ”というモノのほうが気になるんだけどな。 名前も知らない親切な人に電話のでかたを教わる。ゲーム内でも今も名前は表記されているんだけどさ……読めないんだよね。 普通の人なら聞くんだろうけどさ、僕っちはそういうの聞いたことがない。 だっていつまでの付き合いになるか分らないしね。聞いて2度合わなかったりしたら覚えるだけ無駄でしょ? 名前も知らない親切な人にお礼を言ってスマフォを見つめる。 スーハーと大きく深呼吸した。スカイプするより緊張するな。 よし! 出よう!! 「……」 『……』 「……」 『……――は?』 “は?”って言われた。 まさかの間違い電話? 『……お、おい! 繋がってるのか?』 そちらで電話してきておいて何という言い草なのだ。 「嫌がらせ電話ですか?」 チラッとPCの画面を見ると名も知らぬ人がチャットで話しかけてきてる。 [wwwwwwwぽむんぽwwwwwwマイクwwwwww] スカイプのマイクが入りっぱなしのことにうけてるらしい。 [てヵぽむんぽ!! もしもしって電話はでようぜwwwww] ……あれだ。忘れてた。 電話に出るなんて小学校低学年ぶりだから……。 「……もしもし」
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