第1章

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鳳凰学園(ホウオウガクエン)。 ボンボンたちが在学するエスカレーター式の学園で、中等部からは全寮制。 思春期を閉鎖された世界で生きた生徒は、持て余した欲を満たすため男へと走る。9割以上がホモかバイとか。 そして、この学園で生きていくために必要なのは家柄の他にもうひとつ。 ――顔。 生徒の上に立つ生徒会や風紀委員は、抱きたい抱かれたいランキングという訳の分からないもので決まる。 何よりも見た目が重要なのだ。 “外見より中身”なんて言葉は、きっと存在してない。 更にイミフなのが顔の良い人には親衛隊というものが存在した。 最初、知った時は族の親衛隊を思い浮かべてしまった。だからといって俺がソッチ系の人間かというと答えはNOだ。喧嘩なんて幼稚園の頃以来、したことがない。 そんなことは、どうでもいい。 親衛隊というのは、ちょーっと対象者に近づくだけで制裁という名の暴行や強姦を行う。 少し……いや、かなり普通とはかけ離れている。 その変だらけのココに僕っちは去年入学した。 理由はただひとつ!! 学年首席の特権に授業免除があるからだ。 運動は全くといっていいほど出来ないが勉強は不思議と出来る。自慢だけどテストで95点以下をとったことがない。満点は当然。 だからといってテスト勉強をするわけもなかった。教科書を1回なぞれば理解可能なのだ。 そんな僕っちが授業出てもつまらないだけ。 授業受けるぐらいならネトゲをしていたほうが有意義な時間を過ごせると思う。 そう、僕っちはネトゲをやるためにココに来たのだ。 全寮制で授業免除。誰にも邪魔されず没頭出来る。 中学の頃から、そんな生活だったが親が怒るわ泣くわでウザかった。 僕っちがココに来たことで、パパんもママんも何故か喜んでいた。 「更生した」と涙を流しでね。 そんな親の思いとは裏腹に僕っちの引き篭りには磨きが掛かった。 今日も昼に起きて速攻でPCの前に座る。 「今日はPC2台起動させて聖魔キャラとサブキャラその8をLv200代にするぞー」 指をボキボキ鳴らし、キーボードの上に置いた。 ジョイパのほうが楽だけど、キーボードのほうがネトゲしてるって感じがするから好きなんだよね。
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