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お昼ご飯は肉じゃがと焼きナス、しょうが焼き、ワカメの味噌汁、僕の好きなオカズのオンパレードだった。
「お母さんが作ったんだ。」
まるで恵美は料理ができない自慢をしている様で苦笑いをしてしまう。
「お母さんは、僕が来るのを知っているの?」
「……ううん、言ってない。」
恵美は言いにくそうに言った。
「えっと、5時だっけ?
お母さん帰って来るのは。
僕はお母さんに会わない様に4時半には帰るよ。
大丈夫、お母さんも心配ですぐに帰って来るだろうから。
それに、お母さんがいない時に僕が家にいたんじゃ、お母さんも良い気持ちはしないだろうからね。」
本音は僕が恵美の母親に会いたくなかったんだ。
でも恵美を説得するには十分だったらしい。
「うん……分かった。
ずっといて欲しいなんて言っちゃダメなんでしょ?」
恵美の落ち込んだ顔を見ると心が痛んだが、恵美の頭をクシャッと撫でて誤魔化した。
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