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カズ君は良い子に寝ていて、僕は恵美とくだらない話をして時間を潰していた。
くだらない話だったが、僕にとっては宝物の様な時間だったし、恵美のクルクルと変わる表情を間近で見る事ができて幸せだった。
帰る時間迄残り1時間という時、家の前に車が止まる音がした。
「え?お母さん帰って来たの?」
思わず僕は声に出してしまった。
恵美がオドオドした口調で何かを言おうとする。
「ただいま。
あら?お客さん?」
恵美の母親の声だ。
僕は慌てて荷物とジャケットを手に取り、
「じゃあね。」
と恵美に告げると頭をクシャッと撫でて玄関に向かった。
「あの、あの……」
何かを言おうとしている恵美の言葉は無視して、玄関にいる恵美の母親に話した。
「すみません。
勝手にお邪魔しました。」
恵美の母親の目がまん丸に見開かれ、言葉を失っているのが分かった。
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