第二話 Mって

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「右手は何もしていない。ですよね?」 「ええ」 「その指が遊びたがっています」 「・・・はい・・・」 亜紀は催眠術にかけられたように、 すべてを肯定する。 マスターの言葉が心に浸透して、 簡単にうなずいてしまう。 右手が下がり、晒されている中央へ向かう。 すべすべした肌を滑り落ち。 指先が麓(ふもと)へ辿り着いた。 マスターの視線がそこを射した。 『イヤッ』 叫びそうになるのを亜紀はこらえた。
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