第二話 Mって

27/29
前へ
/29ページ
次へ
マスターはウィスキーをグラスに用意した。 亜紀が目覚めたときの気付け代わりにするためだ。 テーブルを挟んで亜紀の反対側に座った。 「ううーん」 亜紀が呻く。壁にもたれていた頭が揺れた。 瞼が開いて正面にいるマスターを見た。 「私・・・」 「素敵でしたよ。高いところまで飛んでいった」 「恥ずかしい」 「でも、良かったでしょ?」 「ええ、すごく」 「これ、飲んでください」 マスターが、ウィスキーが注がれたグラスを渡した。 亜紀が一口飲んだ。ゴホッとむせった。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

490人が本棚に入れています
本棚に追加