第二話 Mって

5/29

490人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
「ありがとう」 亜紀は礼を言い、右手でグラスを持った。 静かに口に含む。 喉が乾いていたことに、そのとき気付いた。 マスターの視線がスカートを握る左手に向いた。 亜紀は恥ずかしさと闘いながら、 翳りがすべて現れるまで左側のスカートだけを 上に引いた。 「美味しいですか?」 「はい」 「私も美味しいです」 そう述べたあとの、マスターの笑みは本物だった。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

490人が本棚に入れています
本棚に追加