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それにしても、なんで日本を飛び出た先で、呼ばれんだろう?
ちらり、とハニーを見れば、彼も珍しく眉間にしわを寄せて、怪訝な顔をしている。
どうやら、ハニー自身も想定外のコト、みたいだった。
「こっち、こっち、こっちですよ~~!」
更に大きくなる声の方を見れば、リゾート地にも関わらず。
明るい色は選んでいるものの、固っ苦しいスーツをきっちり着込んだ日本人の男が、ハニーに向かって歩いて来る。
見た目、年は、僕より二、三才上みたいで、背が僕より少し高いだけの小柄だ。
顔も整っている、っていうよりは、大きな眼が印象的で『面白い』。
手をぶんぶん振り回している所が、コミカルだ。
なんだか、アニメか、漫画のキャラみたいにも見える。
その姿を見てハニーは、頭痛をこらえるように、アタマを抱えた。
「……佐藤(さとう)君」
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