約束

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 僕は今まで、何度も何人も年も人種も様々な、色々な女を抱いたことがある。  その時は、みんな女、であるがゆえに。  男の僕のカラダの凹凸に、ぴったりなじむような曲線を描いているって感じていた。  だから、かどうか。  ハニーと初めて抱きしめあった夜。  その形の違和感に、カラダが拒絶しているのを感じたんだ。  ともすると『嫌悪』になりかねないカラダの不具合に、僕を誕生させてくれた神にさえも、裏切る背徳の恋なのだと思い知る。  それでも、ハニーの暖かい体温と、震える心が全てを吹き飛ばした。 『愛してる』っていうただ、それだけ。  静かに強い、その、想い一つだけが、カラダの違和感も。  社会のモラルも。  そして、理性さえも、超えたんだ。
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