恋人達の午後

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   すげー!  僕は、自分の周りに広がる海の光景に、全てを忘れて、目を見張った。  ケアンズの港から、スキューバ・ダイビング用の小型ボートを借りた。  機材一式を装備して、グレート・バリアリーフの懐にハニーと一緒に潜ることにしたんだ。  どこまで続く、青い海の中は、まるで、天国のようだった。  今まで、水族館や図鑑でしか見たことの無い生き物が、熱帯魚や珊瑚や海藻が、色とりどり、鮮やかに、僕の手元のすぐ側まで迫って来た。  しかも。海のキレイなことが半端じゃない。  なんて透明度だ……!  その視界のクリアーさに、アクアラングをつけたまま、僕は、ため息をついた。
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