記憶の断片

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「いや、健人。 田中が言っている事はホントらしい。実際学校中でその話題を聞く」 後ろから話かけてきたのは颯真だった。隣には当然のように楓がいる。 「学校中で話題を聞くって...そんなに広がってるのかよ」 「皐月さんの社交性の高さだろうな。 学校中といっても今は三年校舎だけだが」 「出所は?」 「知らんよ。皐月事件から勝手に広まったんじゃないか?」 それも無いのではないだろうか。それなら転校初日に広まるだろう。 ...いや、実際その噂もあったらしいが。だがそれも少数だったらしい 「ねー健ちゃん」 「どうした?皐月」 「なんか、出所は美沙って人らしいよ?」 「え?なんでそれ知ってんの?」 「いまそこで聞いた」 そう言って廊下を指差す。まだ朝だから廊下にはあまり人はいない。 よって知り合いが通る確率は低いはずだが、流石は皐月の社交性。 そのせいで広がったのだがな。
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