記憶の断片

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「美沙? もうとっくに帰ったよ?」 「は?」 放課後 朝から放課後って展開早いななんてのは受け付けない。 ともかく放課後。皐月と共に美沙のクラスに来てみたのだがクラスメイトによると帰ってしまったと言う。 「あの野郎...」 「昼休みにくるものだと思ってたって。 放課後はバイトがあるからいつも早いよ?」 「あー、そうなの。 ありがとうね彩ちゃん」 「いーよそれくらい。気にしないで。 また明日ねー」 「うん。また明日ねー」 この彩という子も皐月の友達なのだろう。 俺は一体この三年間何をしていたのだろうと後悔したくなる瞬間だ。 「おい健人、美沙ってのはいたのか?」 「いないってよ。帰ろう」 扉の付近で颯真と楓が待っている。 俺は諦めて教室を出た。
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