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◆康介
東京の夜に輝く緑色のタワー。
普段とは違う特別なその色に彼女も暫し目を奪われているようだ。
彼女は高校時代に2年間付き合っていた元カノ。
彼女とはクラスメイトだった。
その時から容姿も性格も共に良く、彼女と付き合うことが出来た俺は浮かれていた。
しかし、彼女とは俺の浮気が原因で別れることとなった。
俺はそれから大学へと進学し、22歳の時に今働いている某IT企業へ就職した。
彼女と再会したのはベタに高校の時の同窓会。
よくある展開通り、俺と彼女はそこで意気投合し、連絡を取り合う関係となった。
そして互いを求め合う関係へと変わっていった。
別にこれが独身同士なら何ら問題もないことだ。
しかし俺にも、そして彼女にも既にパートナーがいた。
そう、つまり2人とも既婚者。
俺達は、禁じられた世界へ足を踏み入れてしまっていた。
浮気が原因で別れた彼女と数年後に浮気をする。
こんな皮肉なことがあるのだろうか。
しかし、1度踏み入れてしまった世界からは簡単に抜け出すことは出来なかった。
してはいけないと知っているものほど燃えるのは何故なのだろう……。
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