第1章

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メカつく シナリオ応募作 『オウルは夜に哭く』    第一話『少年の羨望』シナリオ                赤市唯一 【登場人物表】 三途川マコト 釈迦萩ノア 歌地蔵エンマ 深帰依サトリ 南無アミ 柳マオウ シュダオン 一来コウ 整備士 ナレーション ○宇宙・全景   青い星が大きく輝いている。   地球の隣には月がある。   徐々に月にズームアップしていく。 ナレーション「人類はかつて生きていた地球を離れ、月に移り住んだ。月は地球とは異なり、資源が限られており、人類は度々、資源調達隊となる者たちによって地球へ旅立つことが余儀なくされた」   第7世紀地球ズームアップしていく。 ○第7世紀地球・夜空   夜空には無数の星が輝いており、その中を三つの流星が流れている。     ×   ×   ×   一番前を歌地蔵エンマが乗るヨリトモ機、その次を深帰依サトリが乗るトモエ機、一番後ろを三途川マコトが乗るヨシツネ機の三機のオウルが飛行している。   三機のオウルは資源調達輸送機を取り囲んでいる。 ○ヨシツネ機・機内   コックピット内でマコトが一人で立っている。   そこに南無アミが映った画面が浮かび上がる。 アミの声「三人は周囲の警戒を怠らないでください」 エンマ&サトリ「はい!」 アミの声「聞いてるの、マコト」 マコト「はい! (少し考え込んでいる様子で)……」 ○月面都市・全景(回想)   月面都市は江戸時代のような街並みである。   月面都市の中には青羽第14高等学校が建っている。 ○青羽第14高等学校・教室内(回想)   何人もの生徒が授業を受けている。   生徒の中にはマコトが混じって授業を受けている。 先生「我々の祖先は昔、地球に住んでいた。しかし、我々は争いごとをやめなかった。そんな中、地球全体を巻き込んだ核戦争が起こった。それが原因で人類の半分以上は死に絶えた。月に移住を考えていた生き残りの半数の人がここに移り住み、今に至るわけだ。月は資源に乏しく、度々、地球に訪れては資源を調達して私たちは生きているんだ」   先生が話している間、マコトは窓から空を眺めている。   空には青く輝いている地球が空を覆うほど大きく浮かんでいる。 マコト「(何かに気付いた様子で)ん?」   マコトが隣を振り返るとそこにはペンを持った釈迦萩ノアが座っている。
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