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そう言うものの、すでに左手(奈央子に近い方)を奈央子の背に回す野城。
奈央子の思考は、こんな所で一体何かをするつもり!?とか、この人にはそんな度胸ある訳ない!とか、優じゃあるまいし――…などと言った想いが炸裂していた。
そして、野城の手が 自分の背中のどこに触れていたのかさえ奈央子自身が把握する間もないまま、わずか一瞬、ものの数秒もしない内に、野城は左手を奈央子から離していた。そして、左手を隠すように、そのままテーブルの下に移動した。
「野城くん―…って、な、何それ」
そんなテーブルの下の野城の左手は、"何か"を握っていた。
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