0人が本棚に入れています
本棚に追加
まるで一円玉みたいな大きさ・デザイン・厚みのそれ。色は、銀色。模様は一切ない。
「一円玉じゃ、ない!じゃ―…」
「だから盗聴器だって言ってんでしょ」
「!」
「っていうか、人の身体にくっ付けるって時点で、"良からぬ物"である事には変わりないだろ。
だって、じゃあ仮に一円玉だとして。わざわざ君の服に、一円玉をくっ付ける意味は何?君は大仏様でもなければ、女神の像でもないだろう?あとは…寄付とかされたって事になるよ?一円玉を君にあげる目的は何?」
「た、確かに…」
野城に顔を近付けて、頷いた。
「パッと見、コイン形のリチウム電池みたいな物だね。これも多分、一円玉と同じサイズだと思う。直径2センチ。君がコレを一円玉だと思ったのも無理はないさ」
パッと見、だけでそこまで分析できるのもどうかと思う奈央子だったが、優がいない今は野城に頼らざるを得なかった。
今の奈央子には、野城=拒否反応というのはそっちのけだった。
最初のコメントを投稿しよう!