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「お待たせ~。向こうで部屋の子たちと話込んじゃってさ。そこでずっと食べてたの。奈央子、一人でご飯つまんなかったでしょ?探しに来れば良かったのに」
「あかねちゃん。ううん!っていうか何かやっぱ今、食欲ないんだよね、別に寂しくはなかったよ。そういやご飯全然食べてないや」
だが奈央子はまるで空腹を感じなかった。
愛加もあかねも、奈央子の隣の椅子に座る。野城はそんな女の子三人組の会話を黙って聞いている。
「えー!まだ何も食べてないの!?もう時間終わるんじゃないのっ」
と驚く愛加。
「か弱いわねぇ、奈央子」
あかねがあくびしながら言う。
「ちょっと優と他の女の子がアレだからって、すぐこんな調子?」
「う」
「前も言ったけど、相手が優じゃこれからも――…」
「わー!わかってるって!!それはわかったから!でも大丈夫だよ?実は乗組員の人に頼んでもらってね、お持ち帰り用にこれ作ってもらったんだ」
と言いながら、奈央子はランチボックスを二人に見せた。
「じゃ、今日途中で空腹で倒れるってことはなさそうね」
「ないよ!そこまで!」
「でももし倒れた時は~~っ。上城クンにっ!ガシッと受け止めてもらったりして」
とキャッキャ愛加。
その言葉に、奈央子は一瞬黙り込んだ。そして、気のせいか・・・
隣の席で静かに座っている、野城と
目が合ったような 気がした。
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