オウルは夜に哭く

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○1七年前 図書館?のような場所でシュダオンと一緒に映像を見ているマコト 地球、夜闇の中、資源を回収するロータスの映像 それに襲い掛かるシュラ シュラと戦い始めるオウル隊 その中で一番活躍しているのがエンマのヨリトモ機 10歳のマコト、シュダオンが見せるその映像を見て感激している。 シュダオンを挟んでマコトの逆側にいるのはコウ、映像よりもマコトの方が気になるのか、ちらちらと視線を投げている。 そこにやってくるサトリ。シュダオンに挨拶して、コウの頭を撫でてから(コウちゃん久しぶりー、的なセリフ)マコトに気付く。 サトリ「あら? この子は?」 シュダオン「最近よく来るんだ。オウル隊がお気に入りらしい」 サトリ「へぇ、君、名前は?」 マコト、顔を上げて不思議そうに首を傾げた後笑う。 マコト「マコトだよ。お姉ちゃんは?」 サトリ「サトリよ。マコト君は、オウルに興味があるの?」 マコト「うん、カッコイイよね」 サトリ「私も、オウルに乗っているの」 マコト「へぇ、すごぉい!」 マコトに褒められて嬉しそうに笑うサトリ マコト「僕もね、大きくなったら、この人とかお姉ちゃんたちみたいにオウルに乗って戦うんだ!」 その言葉を聞いた途端、シュダオンとサトリ、表情を曇らせる シュダオン「私は、君にそんな事を言って欲しくて、これを見せていたわけではないのだよ……」 マコト「どうして? 僕は乗っちゃダメなの?」 シュダオン「そういう事ではない……」 サトリ「オウルに乗れるのは、死んだ人間だけなのよ」 マコト、理解が追いつかず、シュダオンとサトリの顔を交互に見る。 マコト「どういうこと? ……お姉ちゃんも、死んでるの?」 サトリ、ゆっくりとマコトに手を伸ばす。 マコトも手を伸ばすが、サトリの手を掴めずにすり抜けてしまう。 一同、無言。 ガラス張りの大きな窓の向こうに、月面のデコボコの地形と青い地球が見える。
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